お知らせ

新潟広告協会60周年記念講演会を開催しました。

新潟広告協会が設立60周年を迎えたのを記念し、6月28日、ANAクラウンプラザホテルで記念講演会を開催しました。特別に一般参加者も募り、会場は300人の熱気にあふれました。ロビーでは、第57回新潟広告賞、新潟アートディレクターズクラブ2016審査会の優秀作品も展示され、「クリエイティブの今」をアピールしました。


谷山雅計氏

■第1部 
(有)谷山広告代表取締役、コピーライター 谷山雅計(たにやま・まさかず)氏
「クリエイティブの今」


新潮文庫「Yonda?」東洋水産「マルちゃん正麺」資生堂「TSUBAKI」など数々の作品で知られる、谷山氏。60人余りの学生を含む、300人の聴講者に、解りやすくも熱く語った1時間だった。

「テーマに“クリエイティブの今”とあるが、果たして広告クリエイティブに“今年の傾向”というものはない。企業や商品の課題解決方法はバラバラにあふれているから。 ただ自分がこの仕事を始めた32年前との違いはある。それはメディアが変わったこと。たとえば昔はSNSはなかった。今はだれでも「システム」によって話題を拡散できる。ただメディアが変わっても、その中で使うべき“知恵”は変わらない」。

谷山氏いわく「基本的に単一民族の日本はアイディア以上にトーン&マナー、シズル感が大切とされてきた。日本人なら、この感覚、わかるよね、という前提に立てた。テレビが一家に1台の時代は子供は見たくない大人の番組を見て世代を超えた共有があったものだが、今は1人1台のテレビやPC・スマホで見たいものだけを見る文化。江戸時代から続いた文化の継承はなくなった」。そこで谷山氏が手掛け、アジア最大の広告祭ADFEST2016のフィルムクラフト部門でグランプリを獲得した、2分の長尺CM“FireflyMan(直訳でホタル男)を上映。OCEDEL社のLED照明のCMで、蛍になったお父さんが家族の照明役になるという内容は「海外は多民族国家が多く、アイディアが大切。だれにでもわかりやすくなくてはいけない」という作品の好例として紹介された。

最後に若い世代に対し「メディアの手段をズラズラ並べたメニュー屋にはなるな。真ん中の知恵=コアアイディアを作らなくてはいけない。アタマを鍛えよう!」とエールを送った。

浅葉克己氏

■第2部
アートディレクター 浅葉克己(あさば・かつみ)氏
「新潟のクリエイティブの今」
(聞き手・JAGDA新潟地区 土肥正弘氏)


浅葉氏は、5月28日に開催した「新潟アートディレクターズクラブ(NADC)2016審査会」で審査委員長を務めた。今回受賞した11点の作品を解説しながら紹介した。NADCには設立以来10年間係っており、「新しい人に出てきてほしい」と訴えた。

続いて、自身が昨年スイスで講演した時に上映した長尺映像や係った新潟のイベントの広告作品を、ユーモアも交えて紹介し「世界のアサバ」が新潟のクリエイティブを通じて身近に感じられた1時間だった。

「卓球6段」の浅葉氏。持参したボールを「ズキューン!!」の掛け声とともに勢い良く客席に打ち込み、会場は騒然。巨匠からの強烈なメッセージ、うれしいサプライズだった。