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新潟広告協会 広告セミナー
新潟初のLCC「トキエア」今後の展望について


今年7月、新潟空港に拠点を置く格安航空会社、いわゆるLCCの「トキエア」が設立された。今回、新潟広告協会がメディアシップで開催した広告セミナーでは、加茂市出身でTOKI Aviation Capital(株)の代表取締役・長谷川政樹氏が登壇し、「LCCトキエアの戦略 新潟から、空の旅をもっと身近に」をテーマに講演した。


現在、航空業界は新型ウイルスの影響で航空需要が一気に縮小し、大きなダメージを受けている。これにより、国内の大手航空会社は国際線を中心に低迷し、2021年3月期は赤字の見通しを発表した。また、東南アジアのLCCエアアジアは日本からの撤退を決定するなど、波紋が広がっている。この状況が続けば、今後、地方路線からの撤退が顕著となり、航空会社は収益改善に向け運賃を引き上げる、といった事態が想定され、航空機の利用者が更に減少するという悪循環が懸念される。これに対し長谷川氏は「格安航空会社を地方で展開していく必要がある」と、LCCの必要性を語った。


トキエアの航空機はリージョナル型と呼ばれる小型航空機。佐渡空港のように滑走路が短くても離発着が可能なことから、トキエアは新潟空港を拠点に、佐渡・北海道・宮城・東京・愛知・関西の6地区を結ぶ計画を立てている。この計画が実現すれば、利用者の移動時間が大幅に短縮され、目的地での滞在時間が長くなるのはもちろん、遠方でも日帰りできるメリットも生まれる。小型機を貸し切って社員旅行に利用する、などといったパッケージも想定しているという。一方で、旅客機としてだけではなく、貨物輸送としての役割も計画されており、特に災害時における輸送機能には期待が寄せられている。


下町ロケット

トキエアは2022年中の就航を目指している。年間で約50万人~60万人の旅客と貨物を運ぶ計画で、拠点となる新潟空港には運航先のお土産を充実させたり、サテライトオフィスを設置したりして集客力を高めるとともに、防災拠点としての機能を備えることで、空港を中心とした新たな街づくりも提言している。大きな経済効果や雇用創出に期待が寄せられるトキエア。長谷川氏は「トキエアのビジネスモデルを成立させて、他の地方空港でも展開を広げていきたい」と意気込みを語った。